傀儡音楽

かいらいおんがく

誰が歌ったってかまわない。

よく「第一期のタンポポ(初期タン)の曲を他のメンバーが歌うのは腑に落ちない」みたいなこと言う人がいるんだけど、俺全然平気なんだよね。俺も相当、飯田にも矢口にも思い入れを持ってるつもりだし、彼女たちの不遇さとか、彼女たちだったからこその作品の輝きとか、わかってるつもりだけど、じゃあ別のメンバーが歌うっていうなら聴いてみたい。いい曲だったら是非聴いてみたい。良い印象がそれほどなかった曲でも、もしかしたらすごく良い感じになってるかもしれないから聴いてみたい。
中澤卒業の時にBSでやった特番で、中澤・飯田・安倍の三人で「愛の種」を歌って、それをスタジオの端で矢口が泣きながら見てるってシーンがあって、すごく感動したのね。俺にとっても「愛の種」は特別グッとくる曲で、モーニング初期メンバーだけの宝物って気もする。ハロプロの別のユニットで、シングルのカップリングあたりでペロッと「愛の種」を収録されたりしたら「おいおい、もうちょっと特別扱いしろよ!」って思うかもしれない。……でも聴いてみたい。別のバージョンの「愛の種」を楽しんでみたい。
アイドルの音楽ってもともと「歌い手の音楽的実力とかタイプとは無関係に、どんな曲が回って来るかいつも偶然で、誰にもわからない」みたいな要素が面白いわけじゃないですか。シングルを連発してても全然ヒットに恵まれなくて、ファンからずっと「もうちょっと良い曲あてがってもらえないかなぁ」と思われてる、なんてパターンも多いわけで。シングル出してもそれはたまたま与えられたものだったって話で。……ってまあ、理屈で言えば、って話ね。理由の全てがコレってわけじゃない。
「この曲は誰々の曲だから他の人に歌わせたくない」っていう気持ちはよくわかってるつもり。でも俺はまあ、他の人に歌ってもらえるチャンスがあるなら聴いてみたい、ってだけ。そこにこだわりないです、ってだけのお話。