傀儡音楽

かいらいおんがく

松浦亜弥をもっと輝かせてくれ

 「日経エンタテインメント!」って雑誌を買ったの。何年ぶりだろ、買ったの。創刊号と第2号を買って「なんて内容のない雑誌なんだ」と憤って、それから買ってなかったの。「内容がない」なんて言ってたけど、もしかしたら俺が理解できなかっただけかもしれないけどね。今月号の特集が「今年のヒットソングベスト100」みたいな企画だったから、面白いかもと思って購入。まだ4分の1も読んでない。
※「日経エンタテイメント」かと思ってたら「日経エンタテインメント!」でした。雑誌名間違ってました。ごめんなさい。

 なんだかヤらしい雑誌になってますな。シロートが業界人ぶるためのデータがギッシリって感じで。この雑誌を読んで書いてある分析を鵜呑みにして、それを誰かに偉そうに語ったら……それこそ一億評論家時代だなぁ、と思った。とにかく鼻持ちならない雑誌になってた。毎月読んでればいっぱしの「事情通」になれそうですよ。俺も毎月買おうかな♪

 まあいいや。ヒットソングベスト100って企画があって。

 なるほどーなんて読んでたんだけど。第1位は平井堅の「瞳をとじて」ですよ。納得でしょ。でも100万行ってない。推定856,977枚ですって。2位がミスチルの「sign」で790,122枚。3位はちょっと意外、平原綾香で「Jupiter」で680,736枚。「かたちあるもの」とか「ロコローション」の方が売れた気がするけどねぇ。

 驚いたのがさ、モーニング娘。が3曲もランクインしてるわけ。あんなに売れてない売れてない、もう終わったなんて言われてるのに。そして松浦亜弥は1曲だけ。しかも「奇跡の香りダンス。」。発売1月ですから。その後彼女「風信子(ヒヤシンス)」「YOUR SONG〜青春宣誓〜」「渡良瀬橋」って連発してるんだよね。でも全く売れなかった。コレ読んでるあなたも記憶にないでしょう?

 EPSONのさ、カラープリンタのコマーシャルあるじゃん? 松浦がモーニングのメンバーを従えてるって構図のCM。あれなんか見てさ、「ああ、モー娘も落ちたものだ、松浦ひとりにつかえちゃってる」なんて言われてたんだけど。実際にCDの販売枚数から言ったら、松浦全然商品になってないんじゃないの、っていう。

 現状さ、日本の女性アイドルタレントのトップグループに、松浦亜弥はいる……って思ってたわけ。注目度高いと。コマーシャルもバンバンやってると。確実に5本指に入ると思ってたの。そのトップアイドル様のCDが、最高でたったの81,466枚しか売れてないなんて、由々しき問題でしょう? 全然ビジネスになってない。全くもって……アイドル冬の時代なんだなぁと。

 俺はさ、アイドルが好きでインターネットが好きで、好きな情報に反応できるように巡回してるから気がつくわけですよ。アイドルの情報に。でも多分、一般人には全く届いてない。一般の人々は「あやや」は知ってるけど、今年の曲なんてきっとちっともわからない。アイドルなんて全く儲からない商品なんだよきっと。グラビアアイドルが毎年とっかえひっかえ期間限定でもてはやされるだけで。そのうち岡本夏生のように消えていくわけだし。

 バンドブーム以降、日本のチャートはガラっと変わっちゃったじゃない? 詞曲を作れる人が表現者である必要は全くないのに、みんなシンガーソングライター中心でさ。
 実際俺自身「あ、このバンド、偉そうにロックっぽいこと言っておいて曲は自分で作ってないのか」なんて評価を微妙に下げてしまったりする悪い癖あるしね。

 顔がよくて歌とダンスが上手で存在に華があるアイドルに、もっと日本の流行歌を歌わせようよ。シャブ中毒の異星人顔のオッサンがどんな素晴らしいメロディメーカーだろうが放って置きゃいいんだ。テレビに出て、皆の注目をあびて舞い踊ることができる人ってのは、美しさという名の選ばれた才能であるべきだと思うんだよね。

 具体的には、松浦亜弥にもっともっと名曲を与えるべきだってことよ。つまんない曲を歌わせて彼女を遊ばせておく手はない。何千万人に一人っていう稀有な才能を、ちゃんと輝かせなくちゃもったいないと思うんだよね。自らステージに立ちたがるメロディーメーカーの人たちも、是非一度考えてほしい。お前自身が輝くべきか、松浦をさらに輝かせるべきか、ってね。

奇跡の香りダンス。 (通常盤)
奇跡の香りダンス。/松浦亜弥