傀儡音楽

かいらいおんがく

友達ってなんだろう(大好きな私のBest Friend)

昔どっかで「友達なんて不要。仕事において仲間とかビジネスパートナーがいて、家族がいればそれ以外は不要」みたいな文章を読んだことがある。そこまでは思わないけど、微妙にわからないでもないような気もしなくもないし、40越えると友達ってなんだかわからなくなる……こともある。これが毎週のように会って、都度飲みに行く相手がいるなら「まァ間違いなく友達」って言えるんだろうけど。

いや、毎週飲みに行ってるわけじゃないけどやっぱり俺には友達がいる。うん、間違いなく俺には複数の友達がいる。「あいつは○○だから友達、○○じゃないから知り合いレベル」とかフィルタリングしたってむなしいだけだ。自分に何かもたらしてくれそうだから友達って認定するのも切ない。やつとはたぶんうまがあう。しゃべって楽しい。だから友達。やつが10万円貸してくれっつったらすげー悩んでそれから貸す。だから大事な友達。それぐらいでいい。距離とか頻度とか時間とかで測っても意味がないんだ。

40越えちゃうと、「親友って」とか言われるともう本当に困る。困るって言ったけど正確には困るのも馬鹿らしいので真面目に考えない。誰が親友とか絶対言いたくない。相手に違うって拒否されるのも切ないし(こっちも40越えてるし)。SNSみたいなものが現れて、人間関係の密度が何らか定量化できてしまうような気がしてしまうからこそ、「親友」なんてレッテルで自分自身を右往左往させるのは馬鹿げてると思ってしまう。

でもこういうのって自分が日々、仕事に追われてて、土日は家にいて、「友達ってなんだろう」って考えたりする必要がないから言えることで、若い頃には言えなかった気がする。学生の頃なんて、友達と自分との間にしか世界がなかった気がするから。当時はインターネットもなかったしな俺の場合。

Prizmmy☆の曲にこんな歌詞が出てくるんだ。いろいろ考えちゃった。

仲良くなったキッカケなんて
聞かれたって覚えてないの
だってキミとの思い出
笑っちゃうぐらいに多くて
ココロの引き出し何段目?
整理整頓やっぱり苦手で
またキミに怒られちゃうね
ゴメンネ ダメな親友で
(Best Friend/Prizmmy☆)

仲良くなったキッカケが思い出せない、って理由ぐらいで叱ってくるなんてよっぽどだな、と思うけれども。きっとこの友達はいつも主人公のこと、踏み込んでいろいろ言ってくれるんだな、整理整頓のこととか。それをありがたいとしみじみ感じてるんだろう。「親友」とか「Best Friend」とか、なかなか言えないぜ。言える? 学生同士でなきゃ「私たち親友だもんね」なんて言えない。そんなレッテル張り、恐ろしく不安で口に出せない。

でも、若い人にはそうあってもらいたいなって勝手に思ってる。むしろSNSみたいなもので知り合った、趣味の話だけできる都合のいい相手よりも、日々一緒に過ごしてどうでもいいことにまでブーブー言い合える友達を大事にしてもらいたい。インターネット越しの人間関係なんて「便利」がまず優先しちゃうんだから。手に届く範囲の人間関係で悩んで迷って腐って凹んで、人の気持ちが自分の思い通りにゃならんってことを知って、その上で大事な人と接することのできる人になって欲しい。「私たち親友だよね」って言った相手に、あっけなく裏切られてこの世の終わりみたいな気持ちになるのも、そりゃ別に歓迎するアレでもないけど、やっぱり結果的に必ずプラスに繋げられると思うから。

アイドルポップスの歌詞なんて、アイドル本人たち(女の子)の言葉ではなくて、彼女たちをプロデュースする側のオジサンが言わせてるファンタジーでしかないんだけども、聴いてる俺はついそこに自己を投影して、十代の女の子たちがそんなことで悩んでるならひとつアドバイスしてやりたい、と思ってしまうのであった。父親目線ですよ。歌詞を書いてるのが実はオジサンであっても!

こういうファンタジー世界に思わず参加(ツッコミ)したくなるところも、アイドルポップスのいいところなのかもしれないなー、なんつって。

……ちなみに、わざわざtwitterのフォロー外したりマイミク切ったりしてくるヤツはどー考えても友達じゃない! 明らかに定量化して見せられるツールで明示しておいて、でも友達だよね、は無理だろうと言いたい! っていうかSNSってむしろ「友達じゃない」ってことだけは明確化させられるツールかもな。なんつって。

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