傀儡音楽

かいらいおんがく

誰が歌ってもいい曲な曲をアイドルに歌って欲しい

PASSPO☆(当時ぱすぽ☆)の「少女飛行」って曲が好きで未だに良く聞いてます。自宅に居るときはCDから取り込んだmp3ファイルを聞くんですが、出先で聞きたくなった時はスマホYouTube検索します。便利な時代になりましたね。

そうするとなんか知らない男性二人組のギター弾き語り映像がヒットするんです。これが……結構いいんですよ。何度も聞いちゃう。メロディがいいんだな。彼らも歌が上手。楽しそう。聞いた後もずっと鼻歌うたってる俺。

俺もアイドル楽曲を総合芸術だと思ってる一人ですよ。いい歌と、かっこいい音楽と、ダンス(振付)と、見た目が良くてみずみずしいパフォーマー。サービス精神ゼロのオッサンどもが仏頂面でCD音源なぞってるより格段に良いに決まってる。アイドル楽曲にはその力がある。そう信じてますけど……この男性二人組の弾き語りは良いなぁ。ぱすぽ☆のPVも良いけどこれもいい。

「少女飛行」はね、飛行機をテーマにしたぱすぽ☆にとっての処女飛行を意味するデビュー曲なわけですけども、誰が歌ってもいい曲なんですね。誰が歌ってもその人の魅力になれる芯の強さがある。自分の好きな曲10曲集めてマイベストのカセットテープを作って、そこに収録してもいちいち説明が要らない感じ。

一世を風靡したモーニング娘。の名曲「LOVEマシーン」も、最後の最後で「モーニング娘。も」って歌われた瞬間ちょっとギョッとしたじゃないですか。歌の世界の中にアイドル本人が出てきちゃうと、歌の世界を舞台にして動き回ってた架空の登場人物がいっぺんに霧散しちゃうみたいな感じ。……伝わるかしら。もう、モーニング娘。本人がアイドルとして歌うってこと以外を全部拒否しちゃうみたいな。

最近のアイドル楽曲って、それこそここ数曲のモーニング娘。のシングルも含めて、本人たちじゃないと成立しないくらい、曲とアイドルとが渾然一体となってるじゃないですか。「このアイドルだからこの世界観」っていう暗黙の了解がないと、一見さんには到底理解しちゃもらえないような歌詞だったり。気付けば右を見ても左を見ても、自己紹介と専門用語、「アイドル戦国時代のてっぺんに立て! 上を目指せ、タフになれ!」っていう性急な戦意の鼓舞……みたいな曲が増えました。

アイドル楽曲は総合芸術ですからそれもいいんですよ。どこから切ってもどう料理しても「そのアイドルが歌い踊らない限り価値が下がっちゃう」ってんならそれでもいい。でもオジサンとしては、同じカセットテープに並べて吹き込んでも違和感のないような名曲の1曲……J-POPの名曲と並べてもいい、歌の上手な二人組が弾き語ってもいい、合唱の課題曲にでもオルゴールにてもできる、そんな名曲になれる曲を、アイドルの皆さんがもっともっと歌ってくれるならそれはとても大歓迎なことですよ、って思っています……と言いたかったのです。