傀儡音楽

かいらいおんがく

Bon-Bon Blanco Special Live「Final Carnival」に行ってきた

俺がずっと愛してきたBon-Bon Blancoが活動休止と聞き、これは絶対に見逃せないと感じて万難排して行ってきました。ファンクラブでは早いうちから活動休止が報じられていたのに、公式サイトでもブログでも、休止についてはまったく触れられていなくて、その歯がゆさが気持ち悪いここ数ヶ月でした。
田町から歩いたStudio CUBE 326は遠かった。道みち『BEAT GOES ON』を聴き直してたんですが、恐ろしい名盤ですね。未聴の人がうらやましい。だってこの感動をこれから体験できるんでしょう?
BEAT GOES ON
 
会場の9割以上は男性で、物凄い熱気(と湿気)でした。でも匂いはそんなにひどくなかった。Studio CUBE 326の空調に感謝です。
会場の後ろ側左手にお酒の自動販売機があって、そこに有名なファンのグループと思われる一団が車座になって座っていました。チケットは完売でオールスタンディングの狭い会場には所狭しと男性が直立している中、たいへん幅を利かせている印象でした。彼らに支えられてBon-Bon Blancoは活動してきたのだし、彼らにもその自負があるのでしょう。
そのグループの中に一人、ゴーイング・アンダー・グラウンドの松本素生さんを膨らませて福笑いにしたみたいな男性がおりまして、年下と思われる友人2名に熱弁をふるっているわけですが、身振り手振りに加え馴れ馴れしく肩を抱いたり叩いたりしている為か、友人2名が笑顔で応えつつも少しずつ後ずさりして行き、都合3名がグループ本体から少しずつ離れていくのが面白かったです。俺、自分のしゃべりで後ずさりされるの嫌だな……。ちなみにその福笑いゴーイングさんは、友人が最前列に居るという情報を仕入れると、会場に向かって物凄く大きな声で「ピンポーン!(友人のニックネームらしい) ピンポンいる!?」と叫んでました。開演直前だった為か会場は静まり返ってしまい、最前列の方向から「いるよ……」という声が聞こえました。福笑いゴーイングさんは我が物顔で満足そうでした。彼に支えられてBon-Bon Blancoは活動してきたのだし、彼にもその自負があるのでしょう。彼は素晴らしい友人に囲まれ、恋人や家族に愛され、職場でも頼られ慕われ、充実した人生を送っているに決まっています。
そうこうしているうちにステージが始まりました。
これぞボンブラという圧巻の内容でした。SANTOS ANNAがパワフルに歌い、MAKOが踊り、TOMOYORURIが打ち鳴らす。最高の楽曲に気持ちのこもったパフォーマンスが乗る、素晴らしいライブだったと思います。
『BEAT GOES ON』の1曲目である「この手につかんだ未来地図(ストーリー)」が歌い出された時はやっぱりぐっと来ました。「Mysterious Heaven」とか「世界の始まりのように」とかアルバム収録の名曲が聴けたのも嬉しかった。あのアルバムが発売された当時は驚いたもんなー。こりゃ行ける、こりゃ売れると思ったもん。
「ユラユラ揺れる」のANNAのウナリの利いた歌いまわしがまた格好良かった。ラップ部分で「みんな歌える〜?」と尋ねてマイクを突き出すわけですが、ANNA本人がわからないからそうしてるのかと思ったら違った。彼女自身歌いながら、マイクを差し出してました。
ユラユラ揺れる(初回限定盤)
 
TOMOYOとANNAから活動休止の挨拶。TOMOYOのしゃべりは本当にしっかりしています。ANNAの言葉も前向きで、会場も素直に受け止めていました。落ち着いたナンバーを2曲やって暗転。ぎこちなくスクリーンが下りてきてプロジェクター映写でリハーサル映像。衣装換えして再度登場すると、4連続でシングル曲を披露して会場の熱気は最高潮に。特に「愛のナースカーニバル」から「涙のハリケーン」の流れは強力でした。
「愛のナースカーニバル」は俺にとっても最も好きな曲のひとつなんですが、この曲すごいですよね。看護婦のコスプレって要素が明らかに後から付け加えられてる。「吸って吐いて」と「それではお大事に」という歌詞以外、看護婦には何にも関係ないっていう。そこが良いんですけどね。ちなみにこの曲が発売された頃は、まだ「看護婦じゃなくて看護士」っていう認識が根付いてなかったんじゃないかな。関係ないけど。
ここで本編終了、一応アンコールってことになってるんだけどその切り替えは短かったです。B3のTシャツを着て出てきて歌ったのが「O.K!」。この曲は作詞家PANINARO 30(佐々木美和)が歌詞を担当する曲のタイトルが多数出てくるんだよね。キャンディーズで言うところの「微笑がえし」、ピンクレディーで言うところの「百発百中」、松田聖子で言うところの「20th Party」、SMAPで言うところの「Smac」ですな。歌詞を堪能しながらいろいろ思い出すという意味でアンコール一発目がこの曲ってのはアリだったと思います。逆にカップリングである「O.K!」が歌われながら、シングル曲で唯一(そして「やっぱり」)「手のひらを太陽に」が歌われなかったのも象徴的だった気がします。
手のひらを太陽に
 
「だって、女の子なんだもん!」の後、「ボンブラとしては初の、最初で最後の試み」としてファンと一緒の記念撮影がありました。その後「次の曲は何かクイズ」みたいなことになったんですが、ばらばらに尋ねていくとキリが無いということで、「私が曲名を言って、それだと思ったら返事して」とのことに。ANNAが考え考え曲名を言うのですぐに「BON VOYAGE!」だとわかってしまったわけですが。反応がANNAの期待したほどではなかったようで「そんなもん? 「BON VOYAGE!」だよ!?」と問いかけると声援は大きくなりました。ボンブラで最もヒットした曲ですもんね。
BON VOYAGE!(BON-BON BLANCO・写真ジャケット)(初回限定盤)
 
そしてメンバーひとりひとりから挨拶。ちょっと涙ぐむことはありましたが、涙涙の卒業式、という体にはなりませんでした。それもボンブラらしくて良かった気がします。MAKOは「またやりた、私ひとりで一人ボンブラでもいいし、もしかしたら二人、三人、四人、五人で!」なんて言って、再始動の可能性もゼロじゃないことを示してくれました。ANNAも「五人って、最初に戻っちゃうのか、それもいいね」なんて言ってました。実際移籍後の活動って、事務所がビジネスとしてヒットさせようとしていた努力よりも、メンバー本人たちのボンブラへの愛情の方が大きかったんじゃないかって気がするんですね(勝手な想像ですが)。だから、それこそ本人たちがまたやろうと思ったら、再始動する、再始動できるんじゃないかって気がしました。そこがあまたあるアイドルユニットと一線を画すところというか。本人たちがアイドルだと思ってない所以なんでしょう。RURIは天然ぶりを発揮する涙あり笑いありの言葉を。TOMOYOは相変らず流暢に挨拶して。ANNAは力強く未来を期待させる言葉を聞かせてくれました。
「だいじょうぶ!! my friend」が披露されてアンコール終了。客電がついてもアンコールが鳴り止まず(最近ロックのライブではとんと聞けなくなった「アァン、コォ↓、ルッ↑」って言い方のコールで)2回目のアンコールに突入。「予定してなかったから歌う曲ないよー」ということで本日2回目の(そして最後の)「だって、女の子なんだもん!」が披露されました。ANNAのマイクはほとんど観客に向けられて、皆で一緒に歌って終わったステージでした。会場に大島こうすけさんは来ていたでしょうか。彼にとっても愛情を注いだユニットだったはず。最後の最後の曲が大島こうすけ名義の曲じゃなくてちょっと悲しかったかもしれませんね。
だって、女の子なんだもん
 
できることなら……って1ファンの勝手な希望だったんですが、ベストアルバム『B3 Master Pieces 2002-2004』に収録されている「夏がきたぁ!!〜VIVA SUMMER TIME☆〜」が聞きたかったな……。ってそんなのやるわけないか。あの曲大好きだったんです。初期のANNAの声が楽しめるんですよね。ガールズユニットの曲で下痢のシーンが出てくるってのも珍しいシチュエーションですよね。
B3 Master Pieces 2002-2004 (初回生産限定盤)
 
そう、1回目のアンコールの時だったか、メンバーがサイン入りのTシャツを観客に投げるってプレゼントがあったんですね。ひとり1枚か2枚しか投げなかったと思うんですが、ANNAの投げた1枚が俺の目の前に飛んできまして。誰とも奪い合うこともなく俺の手の中に落ちてきました。なんかちょっと神がかった何かを感じてしまいました。デビュー当初からボンブラを応援してきて、mixi開設の2004年からBon-Bon Blancoコミュを立ち上げ管理人を続けてきて、本当に良かったなと思いました。ボンブラのメンバーからご褒美をもらった気がしました。


最後の最後でも圧倒的なパフォーマンスを見せ付けてくれたBon-Bon Blancoのメンバーに心から感謝します。最高の楽曲を提供してくれたPANINARO 30さんと大島こうすけさんと、その他の作家陣にも最大級の感謝を。ずっとボンブラを支えてきてくれた(でもライブ当日の運営はぐだぐだだった)スタッフの皆さんにも。本当にありがとうございました。Bon-Bon Blancoは間違いなく俺の青春の(三十路ですが、青春の)1ページでした。再結成・再始動なんてことになったら素直に嬉しいし、SANTOS ANNAのソロ活動でボンブラの曲を披露してくれるのも全然大歓迎です。それらがなくたって過去のCDは歴史に残る逸品で、聴くたびにこれからも俺は胸を熱くしエネルギーをもらうことができるでしょう。
Bon-Bon Blancoありがとう。素晴らしい感動をどうもありがとうございました。


<セットリスト>

  1. この手につかんだ未来地図(ストーリー)
  2. La La 口笛吹いていこう
  3. ユラユラ揺れる
  4. やさしい痛み〜恋の課外授業〜free bird
  5. バカンスの恋
  6. Mysterious Heaven〜愛 WANT YOU!!(ダンスバージョン)
  7. 世界の始まりのように
  8. The sea of the time
  9. 愛がいっぱい
  10. ∞changeing∞
  11. 愛のナースカーニバル
  12. 涙のハリケーン

Encore

  1. O.K!
  2. うれしい!たのしい!大好き!
  3. だって、女の子なんだもん!
  4. BON VOYAGE!
  5. だいじょうぶ!! my friend

Encore2

  1. だって、女の子なんだもん!


自宅に戻りANNAの投げたTシャツをPP袋から取り出してみて感動。笑顔を忘れずに。夢を忘れずに。あなたのくれた作品はずっとずっと、俺の胸に残ります。