傀儡音楽

かいらいおんがく

「橋本慎×星部ショウ×児玉雨子×ぱいぱいでか美×北野篤「聞きたい!新世代のハロプロ作家の作詞作曲術!」」に行ってきた

本屋B&Bで行なわれたトークイベント「橋本慎×星部ショウ×児玉雨子×ぱいぱいでか美×北野篤「聞きたい!新世代のハロプロ作家の作詞作曲術!」」に行ってきました。一生懸命メモしてきたのでレポートにして残します。ちなみに、各人の言い回しは完全に俺の妄想で、こういう言い方はしてないです。雰囲気だけ伝わればと思います。

会場は下北沢の本屋B&B。運営しているのが博報堂ケトルらしいので、登壇者の北野篤さんがこのイベントの首謀者(?)なのかな、と想像したり。このメンバーのトークイベントならプラスワンレベルでも埋まるだろうと思うし、実際のところチケットは瞬殺で完売だったわけですから、この会場を選んだ理由はキャパじゃないんだなということだけはわかりました
(ちなみに俺は御多分に漏れずチケットが取れず……友人(ひろきちせんせー)に誘ってもらって入ることができました。ありがとうございます!!)。

時間通りに登壇者が登壇。ステージ向かって左から橋本慎さん、星部ショウさん、児玉雨子さん、北野篤さん、ぱいぱいでか美さん。でか美さんから撮影NGという説明のほかに、サイリウムネタやジャンプ禁止などのハロコン的な注意事項もあり。またオフレコ話のSNSでのレポートは控えるようにお願いされるなど。

■自己紹介

ぱいぱいでか美

でか美「原体験は「抱いてHOLD ON ME」。Berryz工房は「ジンギスカン新規」なので「地団駄ダンス」とか最高でした」

橋本慎

橋本「Hello! Projectチーフディレクターをやってます。ネットでは「ハシプロ」とかって揶揄されたりしてますが(笑)。アップフロントには25年位いて、シャ乱Qの後期から参画してモーニング娘。以降についても関わっているので、よそ者ではありません(笑)」

星部ショウ

(会場から星部コール)
雨子「星部ぇ~?↑」
星部「あ、星部Tシャツありがとうございます。ライトでよく見えないけど」
でか美「星部さんは赤なんですね」
星部「だるまってことじゃないですか(アイコンの)」
星部「2012年のFOREST AWARDってオーディションに「眼鏡の女の子」という曲で受けて、選考からは漏れたんですが橋本さんに電話がありまして、来ないか、誘ってもらって現在に至る感じです。アップフロントではBitter&Sweetから楽曲制作にかからせてもらってるんですが、ハローをやることになるとは思ってませんでしたね。最初はJuice=Juiceの「CHOICE & CHANCE」かな? アンジュルムだと「七転八起き」とか」

児玉雨子

雨子「私の最初はアンジュルムの「乙女の逆襲」からです」
でか美「「カリーナノッテ」は?」
雨子「はい、宮本佳林さんの参加していたコピンクの作詞提供はしてたんですが、それは全くの偶然で、アップフロントとは別の場所でもらった仕事で。その後南波一海さんらとタワーレコードでイベントをしていた際にたまたま同席されていた橋本慎さんに「えっ、作詞するの? 一緒にやろうよ!」って声をかけてもらって」
雨子「コンペから始めて、はじめのうちは全然通らなかったんですが、「乙女の逆襲」がポンっと通って」
橋本「いやー、成り立たないよね児玉先生と星部先生の両先生がいなかったら」
でか美「さっき楽屋でもセンセーセンセー言い合ってましたね」
雨子「漫画的な『センセー』ですね」

北野篤

北野「博報堂ケトルの北野です。最初に関わったのはモーニングみそ汁でした。セカパカ交流戦もプロデュースしました。あとはMVの制作とかジャケットのデザインとか、BEYOOOOONDS立ち上げの企画もやってました」

■参加曲

星部ショウ

橋本「(リスト見ながら)入ってない曲もあるね。こぶしの最新シングルとか」
橋本「星部先生はビヨのアルバムで17曲中12曲に関わってますからね」
でか美「(楽曲リストを見ながら)「妄想リハーサル」ありがとうございます」
北野「意外にモーニングが少ないんですね」
橋本「モーニングはまずつんくがやって、ちょっと色変えよう、という時に声をかける感じです」
でか美「難産ってありますか?」
星部「そういう意味では眼鏡は約10年かかってますからね。セリフを加えたり、手を変え品を変え」
橋本「「辛夷の花」はけっこうやりとりしたよね」
星部「橋本さんには、アレンジの譜面をこう書くんだ、みたいなことから教わってます。アレンジの勉強もさせていただきながら進めている感じです」
星部「作詞作曲両方やってる曲は、こぶしファクトリーが特に多いですね」
橋本「星部先生は作詞作曲両方できるのが強いよね。雨子の言語感覚はすごいけど、星部は両方できるから。で、それを使い分ける私(笑)」
でか美「年末にイベントで一緒になった時に、一岡さんが電車ネタばかりじゃなくて他のメンバーの好きなものも取り入れないのか心配してて。恐竜とかバッドばつ丸とか」
星部「なるほど。じゃあ、作ります」
橋本「恐竜も俺らの子供の頃とは違うからねぇ」
でか美「毛が生えてたりとか」

児玉雨子

橋本「(楽曲リスト見ながら)これだけだっけ? もっとあったような」
雨子「それはボツにされてるからだと思います!」
橋本「まあ道重とかアプガとかもあるからね」
雨子「いや、ボツ出されるからですね、ひとえに!」
でか美「(楽曲リストを見ながら)「リズムが呼んでいるぞ」ありがとうございます。本当に感謝してます」
橋本「いちいちありがとうなんだね」
でか美「感謝はちゃんと表明していかないと」
橋本「カントリーの2nd、3rdの時はけっこうやりとりしたよね」
雨子「元々はカントリーの2ndシングルの予定だったんですけど」
橋本「やっぱりセリフから始まる曲がいいだろう、ってことでわかごめに」
橋本「雨子はすごいよね。俺「懊悩」なんて漢字知らなかったよ。スマホでも出てこないし。なんて読むの、なんつって」
でか美「CMにも大きく出てましたよね、懊悩、って」
雨子「CM見て親から電話があって。あんな字使って勉強になったわ、って言われて。あ、うん、みたいな」
橋本「「25才永遠説」もすごいよなぁ。よく裏返したなぁ、って」
でか美「何の裏返しなんですか。私止められないから」
橋本「いやあ、タイトル勝ちだなぁと思って」
雨子「作曲のKOUGAさんも含めてほとんど同い年で」
橋本「山崎あおいちゃんも同い年だよな」
雨子「宮崎由加ちゃんは一個下で」
でか美「一度お尋ねしたかったんですが……私も作詞作曲して自分で歌ったりするじゃないですか。あれってけっこう身を削って書いてるところあるんですけど……あの「あばれてっかハブアグッタイ」ってどういう心境で作られた曲なんですか? 狂っているとしか」
雨子「あれはたいせいさんの影響です(笑)。橋本さんが指示もロジカルでわかりやすいのに比べて、たいせいさんは禅問答みたいなんですよね(笑)。宇宙語みたいなので説明されて、何を言ってるのかさっぱりわからなくて。書いた時のことが全然記憶なくて。頭ぐるぐるしてました。自分で書いたかどうかすら」

星部ショウ&児玉雨子

橋本「思ったよりも少ないね。「マリオネット37℃」とかそのへんが最初か」
でか美「「Good Boy Bad Girl」ありがとうございます。あ、もちろん「明日からはおもかげ」も」
星部「「銀色のテレパシー」はかなり好きですね」
雨子「私は「いとし いとしと Say My Heart」好きですね。かっこいい」
でか美「仮歌とかはどうしてるんですか」
橋本「雨子の歌詞はね、最初に雨子本人の仮仮歌があるんだよね」
でか美「そうですよね、無いと譜割りとかわからないですもんね」
橋本「それをちゃうねんなーとか言いながらオートチューンに入れて、直しはするけど間違ったまま解読したりして。そういう時は雨子オンリー(の仮歌)をくれ、とか思いながら。それから本当の仮歌の人に歌ってもらって」
雨子「アッチャアッチャは星部さんの仮歌でしたね」
星部「はい、雨子さんの仮仮歌を聴いて」
でか美「ヲタはそういうのを求めてますからね! いつかは星部さんの歌がイベントで流れてBEYOOOOONDSが騒ぐ、みたいのもやってほしいですね」
橋本「唯一違ったのは「恋のおスウィング」かな」
雨子「この曲は詞先なんですよね」
橋本「眼鏡の設定使ってもう一曲くらいやろう、ってなって。じゃあお嬢様かな、なんてメロをつけながらやりとりして」
雨子「あれは楽しかったです」

北野篤

北野「最初がモーニングみそ汁で。どの具が誰か、みたいなのも決めました」
でか美「野中が揚げナスなの最高でしたね。『揚げナス ワールドワイドな香ばしさ 野中美希』って」
北野「当時13期オーディションの直前の時期だったんです。発表自体ドッキリで伝えられた後にみそ汁の具材の話で、「好きな具選んでください」って言ってたんで13期の二人に怪しい人だと思われてましたね」
北野「セカパカは企画から8年くらい前からやってたんですが、モーニングを無理やりつっこんで。メンバー13人だったんで、12球団+譜久村って感じで。ちなみにその各球団の詞を書いてくれたスタッフが「LOVEペディア」の英詞を書いてます」
北野「で、道重の「Lonliness Tokyo」のMVの話からBEYOOOOONDSにかかわることになって。その途中でアッチャアッチャ応援隊もやることになり。ジャケット含めて全体的にやらせてもらって」
橋本「クリエイティブ含めて今、最高のチームだからね」
北野「もっと褒めてください(笑)」
橋本「Quick Japanでも一緒にインタビュー受けたし」
北野「去年ぐらいから(裏方でなくて)少し名前を出して行こうと思ってて、そこにビヨが合致した感じです」

■2019年個人的ハロプロトピック ベスト3

ぱいぱいでか美

3.つんく♂さんにお会いできた
2.カントリー・ガールズ(特にやなみん)との日々の尊さ
1.カントリー・ガールズとお仕事ができた
でか美「去年のタワレコで話してしまったので割愛します(笑)」

橋本慎

3.宮本佳林ソロ活動開始
2.カントリー・ガールズ活動休止、こぶしファクトリー解散
1.BEYOOOOONDSデビュー

橋本「宮本もJuiceをやりながら10月かな、ソロライブツアーをZeppで初めて、曲も作って。雨子も宮本の育ての親ってことで名古屋来てくれたよな」
雨子「東京で見られなくて、次は絶対見ようと思ってたら「大阪名古屋あるよ」って誘われて、名古屋に。ひつまぶし食べて帰ってきました」
橋本「宮本はエモいんだよ」
雨子「そうなんです! 声も綺麗だし」
橋本「女の子らしくも歌えるし混沌も表現できる。金澤もソロライブやったけど彼女もうまいんですよ」
でか美「みんな知ってます(笑)」
橋本「宮本はいい意味で計算を裏切ってくる個性が素晴らしい。金澤はうまさははずさないし、年相応の色気もある。やっぱりソロ活動をやるとグループの中では見えないことも見えてくる。今後別のメンバーでもやるかもしれないので見守ってほしいですね」
でか美「ヲタとしては、ソロ活動が始まると卒業が近いのでは、と不安になってしまうのですが……」
橋本「それを言ったら昔からタンポポプッチモニミニモニ。みたいな別ユニットでの活動もあったし、後藤真希のようにグループに在籍しながらのソロ活動もあった。結果的にそのあと卒業したけれどもあくまで結果だし、直結させずに今後も在籍メンバーにも経験させていきたい。あたたかく見守ってほしい」
橋本「カントリー・ガールズは山木が就職、小関が進学ということで区切りをつけることになった」
橋本「活動休止としているけどこの後何か予定があるわけじゃないんで」
でか美「ヲタは敏感ですからね。大全集に①ってついてるだけでブチ切れてますから」
橋本「カントリーの名前を残すっていう意味でね。カントリー娘。はもう21年前? 歴史があるし、いろいろなことがあったのでね。忘れた頃にいつかやるかもしれない」
でか美「先日岩尾さんと劒樹人さんとのトークイベントで「カントリーの実権は義剛さんが握っている」ってことで落ち着いたんですけど」
橋本「(笑)田中義剛は今はもうかかわってない。本業が忙しいので」
でか美「ラクレットチーズとかでね」
雨子「いやー、なんていうか乳製品ってすごいですよね! たくさん儲け方があって! キャラメルがダメになったら次はチーズか、みたいな!(笑) 乳製品マジやばい」
橋本「こぶしはメンバーが話し合って決めた。歌える、アカペラもできるという点でもハロプロの中でも他にない存在だったので、こちらとしても非常に残念。でも本人たちが次の道へ行きたいということで応援することにした」
でか美「バスツアーもありますしね。みなみな、バスツアー好きですよね。ブログでも触れてたし」
橋本「バスツアーやってなかったっけ」
でか美「前回やった時はメンバーもっといましたからね」

星部ショウ

3.公式アッチャアッチャ隊の衝撃
2.BEYOOOOONDSのシングル&アルバム楽曲制作と伏線回収
1.こぶしファクトリーの卒業楽曲「青春の花/スタートライン」制作

星部「アッチャアッチャはそもそも「インドで1曲」という謎の指示から作り始めました。当初よくわからなくてしばらく寝かせてたんですけどケツ叩かれまして、あまり考えないようにしようって2つくらいデモあげて」
雨子「私には「踊れる、インドで1曲」でした。私もあまり考えないようにして」
星部「そのあとwikipediaのコピーみたいな資料が送られてきて、この人が歌うからって。資料には謎の男Hに関しての指示があって男性用のキーに合わせたりしたわけですが、謎でしたね(笑)。「踊りたいの」のところとかメンバーと同じキーで歌ってて。ずっと笑いながら作業していました。遊び心を入れようって思って木魚を入れたり、演歌っぽくしたり」
北野「僕には「踊れるインド、おじさん、メンバー総出演」って指示だったんです。だから℃-uteのラストシングルに各グループのリーダーが出てくるみたいなイメージかなと思ったら全然違った(笑)。「このオジサンも出ます」って」
星部「面白いですよね。あたまがおかしい」
雨子「MVは皆さんと同じタイミングで、わけもわからないまま観たんですけど、すごいですよね。たいせいさんがディレクターのたいせいさんじゃなくてシャ乱Qのたいせいさんで」
(ここで企画書の披露)
北野「企画のヤバさにはスタッフもおびえてて、これでスベったら今後のキャリアに影響するんじゃないか、仕事を失っちゃうんじゃないかって本気心配していましたね」
北野「撮影の日は自分も立ち会ったんですが、最初自分のこと、山木さんに「誰なんだこいつ」って思われてたんでしょうね、いぶかしそうにじろじろ見られたりしてたんですが(笑)。道重の「Loneliness Tokyo」を作った人だよ、と紹介してもらった途端に山木さんの表情が豹変しまして。「カントリーにも衣装が12着くらいあるMV作ってください」なんて頼まれたりしましたね」
橋本「MV出演はさすがに怒れらるかと思って、たいせいに恐る恐る聞いたら前のめりで「出ます!」って(笑)」
 
星部「こぶしはデビュー曲も書かせてもらったし、ハロプロでのデビュー時期も同じくらいだから、勝手に同期って思ってるので、こぶしには思い入れがあります。そのラストということで、卒業にふさわしい曲をということで「青春の花」を書いて」
橋本「最初も書いたんだから最後も書いて看取ってやってくれと」
星部「そのあと明るい曲も欲しいよねということで「スタートライン」も書きました」
星部「「青春の花」は卒業式で歌うイメージ。「スタートライン」は、こぶしファクトリーを下宿とか寮に見立てて、そこから引っ越していくシーンをイメージして書きました。それこそキャンディーズで言えば「微笑み返し」みたいな感じ」
橋本「2曲とも今、完パケ直前かな」
北野「2曲ともMVは自分のチームで制作してます」
雨子「Hさんとか出ないですよね? たいせいさんとか」

児玉雨子

3.BEYOOOOONDSの存在すべて
2.モーニング娘。'20「LOVEペディア」「人間関係No Way Way」作詞
1.こぶしファクトリー「好きかもしれない」作詞

雨子「「LOVEペディア」は1年くらい前から構想があって。当時は「LOVEタイフーン」という曲名だったんですが、台風被害のニュースもあったので自粛して引っ込めまして。少し変えて「LOVE旋風」にしようとしたんですが、旋風のせの響きが弱いってなって。発売日が決まってるのに決まらなくてどうするどうする、ってなって」
橋本「大喜利状態になって「LOVE、何にする?」ってなってたよね」
雨子「LINEで「LOVE大吉」はどうだ、とか送られてきて」
でか美「それだと私の曲になっちゃう(笑)」
雨子「「LOVEペディア」で出したんですけど、これでいやあやっぱり、ってなった時にもうひっぱれない、ボツだった時のために別のパターンもあった方がって書いたのが「人間関係No Way Way」。最初は「人間関係リセット症候群」って曲名だったんですが、「人間関係リセット姫」に変えて」
雨子「コンビニでエロ本買う時に、カモフラージュで上に少年ジャンプ載せたりして隠すじゃないですか。あの感じでもうひとつ「No Way Way」も出したんです。どちらか選ばれるだろうと思って。そうしたら両方とも採用されることになって。昨今の音楽業界はコンペで選ばれることがほとんどなんですが、複数出して両方選ばれないこともあるのに、2曲とも採用してくるアップフロントってやっぱり頭おかしいな、と思いました(笑)」
橋本「2曲同時ってのは狙ったんじゃなくて結果的にそうなったんだよね。同じアレンジだとつまらないので……。「LOVEペディア」は途中で転調してキーがひとつ高くなるんだけど、「人間関係~」は最初から1個高い。これがハロコンで2曲連続でやってみたらぴったりハマったんだよね。たまたま結果的に、だけど(笑)」
雨子「演じ分けてるメンバーもすごいですよね。歌詞も振りも全然違うのに」
 
雨子「こぶしファクトリーは強いイメージの曲が多いから、女性らしい、大人っぽい曲をずっと歌ってほしかったんです。卒業のことは知らずに「好きかもしれない」を書いたんですが、間に合ってよかった。書けて良かったです。みんな本当に歌が上手いし」

北野篤

3.「あなたの駅名は浅草駅」
2.LOVEオーディションからLOVEペディア
1.BEYOOOOONDS合宿

北野「自分が関わった曲のCDってもらえるんですけど、自分で買うようにしているんです。ビヨのCDを3枚買った時に握手券がついてたので、各リーダーである一岡さんと高瀬さんの握手に行ったんです」
北野「一岡さんの駅名占いで、普段使ってる路線として銀座線と答えたら「あなたの駅名は浅草駅」って(笑)」
(画面に一岡さん自筆のカード)
橋本「どこまで分かって言ってるのかね(北野篤の父親が浅草で活躍した人だから)」
(桃々姫が座っていた座布団の写真)
 
北野「みそ汁の後にLOVEオーディションにかかわってくれって言われたんです。そこで動画を創ったりアドトラックを走らせたりして。実力テストでは山崎さんに投票していて、そんな15期メンバーのデビュー曲が「LOVEペディア」で不思議な縁を感じましたね。LOVEっていい言葉だな、結局はLOVEだなと」
雨子さん「たいせいさんは「愛やねん」でしたけど」
 
北野「実際に合宿をしていたわけではないんですが、本当に時間がなくてほぼ合宿みたいな状態でした。制作チームも含めてシングルからアルバムまでの流れもものすごくタイトで、完徹もしてたし、地獄みたいな時期でした」
橋本「ビヨはいろいろあったよね。Google MAPに映り込むとか」
北野「終わった後は、僕と星部さんと野沢トオルさんとで飲みにいって、俺たちがんばったよなと励まし合いましたね」
雨子「私さそわれてない! 私だってがんばったのに!」
 
雨子「「Go Waist」は最初は西(WEST)だったんですよね。途中で西とウエストをかけたらどうだ、って言われて。何言ってんのとか思って」
雨子「最初は「ゴーウェースト」が「ビーヨーンズ」しか決まってなくて。良い曲にするかふざけた曲にするかもわかんなくて」
橋本「そしたら児玉がBeyondの「越える」を「肥える」にかけてきて、これはダイエットでいけるんじゃないかということになって。よし、大ヒットソングにしよう、って」
橋本「ビリーズブートキャンプをやろうと言い出したのは野沢トオル。なるほどなーって合体させつつ。小林の、ホノピアノをどうするか、なんて言って。ピアノならNHKのテレビ体操だよねということになって。大久保薫にそれが伝わらなくって、しょうがないから自分で打ち込んで渡して伝わったかと尋ねたら「伝わりました」って返事があって」
でか美「どういうインプットだったんですか(笑)」
橋本「これは面白いねって。本当に掛け算で、乗っかって乗っかって面白くなっていった。テレビショッピングにしたのは北野のアイディアで。だってアイドルのおなかに腹筋書くんですよ? メイクで(笑)」
北野「MVで鍛え過ぎた江口さんが最後にマッチョなおばさんになる、っていう演出がしたくなって、真夜中にマッチョなおばさんがいないかずっと動画見たりしてましたね。みんな深夜のテンションで。でも思いのほかギャラが高くて(笑)。結局江口さんのおなかに腹筋を描くことになりました」
 
北野「MVを取った順番としては、実は眼鏡の次にアツイなんです」
でか美「それでなんですね! アツイの映像みてると、確かにちょっと前の顔つきなんです。平井美葉ちゃんの顔とか幼く感じられてたんです。懐かしい感じ」
北野「戦略としては、眼鏡で演劇もやれるグループで印象付けた後、アツイみたいなわけのわかんないことをやってみせて、真面目なのかふざけてるのかどっちなんだ、と思わせる作戦だったんです」
星部「眼鏡は原型が2013年ですからね」
橋本「ビヨでは変わったことをやる、ってことにしていたので」
でか美「身体表現をやる、みたいな話でしたね」
(眼鏡のデモバージョンが流れ、歌詞が表示)
星部「最初登場人物が3人だったのが、9人に増えてカオス感が増しました。野沢トオルさんが入ってくれたおかげで一気に拡張されて、マジックが起きたなと」
 
星部「「ニッポンノD・N・A」は野沢さんの詞先だったんです。最初はラップ調の曲を出してボツになって。その後DNAって響きがUSAっぽくない? ってなって」
橋本「DA PUMPは一度共演もしてるし、こっちは勝手に公認だと思ってるからね」
星部「だったらユーロビートじゃない? ユーロビートだったらTK(小室哲哉)でしょ、って指示を受けまして(笑)」
雨子「ああ、強い幻覚が」
橋本「いやいや、似てはいないから」
星部「このままでいいのという歌詞から、誇れDNAと繋ぐ感じだった」
(DNAのデモバージョンが流れ、歌詞が表示)
星部「日本の誇れるものをラップで表現して」
雨子「カラオケ・胃カメラ・ウォシュレットってすごいですね」
星部「青色発光ダイオードとか」
雨子「スシテンプラとかよりも全然刺さる」
北野「でもこのバージョンから正式バージョンまでのタイムスタンプがものすごく近くないですか? 1日とかでこんなにまるっきり違うのはすごい」
星部「言っちゃえばあれ「My Revolution」なんです。転調してキーが上がるパターンもあったんですが、やっぱり王道のTKサウンドだろ、寄せようよって言ってマイナーに変えて」
でか美「それがDJ KOOさんに届いたっていうのもすごいですよね。Twitterでコメントしてもらってから話題になって」
橋本「その後YouTubeの再生数も一気に上がったからね」
星部「マイナーに変えたら途中のラップが吉幾三IKZOラップみたいになっちゃったんで、裏でリズムを取るラップに変えたんですけど、最終的には未成年の主張に変更して」
(アツイのMVのデモ映像)
雨子「これはアツイじゃなくてヤバいですね」
北野「でも自分が最初に書いた絵コンテみたいな企画書の内容とほとんど同じで、あまり変わってない」
星部「これは貴重ですね」
北野「悪ノリで作ってますね。未成年の主張のところで、ワイプのみのもんたはどうするって話になって。代わりにベーヤンでどうだと。ベーヤン出したらハロコンにも花を送ってくれるんじゃないかとか。サインにサンキューって書いてくれるんじゃないかとか」
橋本「ベーヤンはやっぱりちょっと気を遣うんで」
北野「あとマトリックスみたいに時空を割いて江口さんが現れるという案もありました」
北野「僕のやってるのは監督ではないので、企画を書いた後は監督に委ねて、監督ではフォローできないところを僕やスタッフでやっている。例えば眼鏡の電車の中のシーンで言えば、通常はただ電車に乗っているシーンを撮るんだと思うのですが、僕らは「江口さんなら何をしているだろう、単語帳を見てるんじゃないか」って想像して、単語帳を手配するみたいに、スキマを埋める提案をしていました」
でか美「「Go Waist」の方もビリーさんに届きませんかね。親日家で日本にいるっていう情報ありますけど」
星部「ハロコンでぜひやってほしいですね(笑)」
北野「ハロコンにDJ KOOさんに出てもらってD・N・Aの途中で「trfとは、TetsuryaKomuro Rave Factoryの略ですからー!」って言わせるって企画もあったんですけどね。苦笑いされて終わったという」

会心の一作

星部「アンジュルムさんの「赤いイヤフォン」です。BluetoothイヤフォンのCMで、和田さんが流し目しているイメージで作りました。曲先で作る時も詞先で作る時もあるんですが、詞曲同時にできた曲はやっぱりハマりがいいですね」
雨子「(投影された星部のメモを見ながら)たくさんいろいろ書いて組み立てていくんですね~」
雨子「あ、Bluetoothの由来とか! あれですよね、デンマークの青歯王から来てるんですよね」
星部「最初はね、何が繋がるかわからないのでできるだけたくさん書いて。パズルみたいに」
 
雨子「Juice=Juiceの「プラトニックプラネット」ですね。ワンマンで披露した曲なんですけど。ロジカルじゃない書き方で作った曲でとても気に入っていて楽しくて、作り終わりたくないと思ったくらい。でもなぜか音源化してもらえなくて」
雨子「これみなさんSNSに書いてください! 「BorderLine」も!」
橋本「「プラトニックプラネット」はもうちょっと待って。「BorderLine」はさすがに2年経ってるので音源化します」
でか美「あと、サブスクもお願いします」
橋本「もちろん社内では論議している。決めないといけないことがたくさんあって。まあ卒業したメンバーの曲はサブスクに入ってるので。もう少し待ってほしい。期待されているのはわかっています」
 
北野「卒業メンバーの曲だけど「Lonliness Tokyo」とか「Break it down」は力を入れて作りました。なんというか、卒業した後にもこういういい作品が作れるということを、現役のメンバーにわかってもらいたいんですよね。ソロだからこそ衣装が多かったり海外でロケできたりするんだな、こういう風になりたいなとかって。現役メンバーにとっての希望にしてもらえたらいいなぁなんて思ってます」

■過去の作品の資料いろいろ

(「Go Waist」の前のバージョンの歌詞を見ながら)
雨子「「もぉ~ウエスト 燃やしてこう もぉ~ウエスト もやし食おう」とか、今見ると血の気が引きます

(「46億年LOVE」の歌詞の変遷を見ながら)
(「Hurry UP~世界がワッと驚く夢~(詞:星部)」→「バブリー☆ソウルミュージック(詞:星部)」→「マジヤバティックLOVE(詞:雨子)」→「46億年LOVE(詞:雨子)」)
橋本「最初2016年くらいの時は林田さんの歌詞があって」
星部「バブリー~の時は「平成のパリピと昭和のパリピ対決」みたいな。サビ終わりが「終電こえたら今夜は朝までDANCE」みたいな」
でか美「Berryzに歌ってほしい(笑)」
北野「この変遷もほんの数日間の間ですからすごいですよね」
橋本「曲も、いろいろ教えてやりながら作り上げていく」
星部「本当に一から教えてもらってて、橋本さんの弟子みたいな感じです。提出した曲にガンガンに口出してくるので、アレンジャーの方より知識をお持ちなのでダメ出しがすごいんです。コードはこっちの方がいいよね、とか。本当にすごい」
雨子「本当にすごいって話はみんな大好きですよね」
星部「例えば「辛夷の花」の「まっすぐ~」の部分を2分の1拍削ろう、とか。こまごまとしたアレンジの仕方をいろいろ教えてくれるので、橋本さんは「アレンジャーの能力をもったディレクター」という感じです」
北野「星部さんのライナーノーツ読んでると出てくるスタッフとかディレクターって橋本さんですか」
橋本「俺じゃない時もある」
 
星部「ヒャダインのラジオ番組に出た時に橋本さんも一緒に浜松町にある文化放送に行ったんです。その帰り道の時ですかね」
橋本「チカテツの曲の話をしていて」
星部「当初の設定はカシオペアだったんです」
橋本「でも一貫性ないよね、っつって」
橋本「高輪ゲートウェイ駅ってできるじゃん。この近くだよね、ちょっと行ってみようか」
星部「行きましょう」
橋本「高輪ゲートウェイって、中央フリーウェイって響き似てるじゃん」
星部「似てますね」
橋本「じゃあユーミンじゃん」
星部「なるほどー、って」
橋本「あれ「右に見える~」みたいな歌詞あるじゃん。見て来てよ」
星部「わかりました、見てきます、って」
雨子「オジサンがふたりでデートしてイチャイチャしてる感じですよね(笑)」
 
北野「自分もクリエイティブディレクターみたいな仕事やってたりするんですが、橋本さんのディレクションの基準って何なんだろうと考える時はあります」
橋本「うーん、グループによって違うけど。例えばビヨはトンチキな、何が出てくるかわからない、当たり前じゃ満足しない感じを大切にしてる。おっと思えるかどうか。アンジュルムだったら強さとそこに隠された弱さ、とか。つばきだったら儚さとせつなさとか。Juiceだったら大人の女性の可憐さとか。そういうカラーの中でどう表現していくか。これを忘れちゃうとぐちゃぐちゃになってっちゃう。そういう線引きしつつも、今までなかったものを模索していく感じかな」
北野「面白いです」
 
橋本「ビヨは時制に合わせすぎちゃってるのが心配。例えば「元年バンジージャンプ」は「新年バンジージャンプ」って歌って乗り切ってるけど。「だってニィ年なんだもん」はハマらないんだよね、3はイケるけど」

■2020年はどうなる

橋本「2019年は激動の年で心配をおかけしてしまったけれど、一つの形にとどまらず、皆さんに愛してもらえるようなものを作っていきたい。皆さんの中には「どうなんだよ」と思っている人もいるかもしれないですけども、変化していくのが人間なので。どんなグループも一生は続かないし、メンバーも必ず巣立っていくわけですから。予想がつかないからこそ新しいものが生まれるのだと信じて。それが人間ですから(笑)。これからもおつきあいいただきたい」

 
 

途中および中盤、コメントが少なくなってるのは語られなかったわけじゃなくて、自分がくたびれてメモが止まっちゃっただけなのでご了承ください。

それにしても最高に面白いイベントだった! ハロプロ楽曲ファンの俺としてはこれ以上面白いイベントはないんじゃないか、って思うくらいに。登壇者のお互いの空気の読み方もよくて、トークイベントにありがちな、周囲の反応見ずに一人だけベラベラしゃべって一人だけ満足してる、みたいなことには全くなってなかった。

まずぱいぱいでか美さんのトークまわしが素晴らしかった。全体も見えててタイムキープもできるだけじゃなく、制作側の気持ちと観客(ヲタ)側の気持ちを両方理解しながら時に踏み込み、時にフォローしというトークをものすごく自然にされていました。ただただ頭のいい人なんだなぁ、と感服。

イベントのまわしはでか美さんなんだけど、北野さんの準備が良かったのもあったと思う。パワポ資料も見やすいし綺麗だし(まあ本職でしょうから俺なんかが褒めるのはおこがましいですが)。才能があふれ出ちゃってる人なんだろうな、と。企画会社・広告代理店の人として裏方あるいはフィクサーとして施策を取り仕切っていたのが、ここへ来て人前に出るようになって、見られる側に立つようになられたのもわかる気がします。父親が凄い人だから、博報堂がすごい会社だから、企画が当たったから……じゃなくて自分と自分から出てくるものがすごいんだっていうことを言えるターンになったと認識されてるんだろうなぁ、なんてことを勝手に思ってしまいました。

星部さんは思った以上にトークが面白くて、ラジオとかやっても全然いけるんじゃないかと思いました。頭の回転も速いし当たりが優しくて不快感が全くない。つんく♂ボーカルの仮歌をいつか音源化してほしいのと同じように、星部ショウボーカルの仮歌音源も欲しいなぁ。普通にいい声ですし。

雨子は……とにかく可愛らしかった! 話している姿、はしゃいでる姿は本当に普通の女の子で、あんなにダイナミックだったり、繊細だったりする世界観の歌詞が大量に出てくる才能の塊である感じを出さない、爪を隠した感じが本当に好印象でした。雨子さいこう。

そして橋本さんは……。世の中の、特に5ちゃんねるを中心に嫌われている存在なので、俺も黒幕的な、諸悪の根源の一人に決まってる、みたいに思ってるところあったんです、先入観的に。でも目の前で複数の人と話しているのを見て、良い方向に印象が変わったところはありました。キツいところもあるし、俺様のおかげだ的な傲慢なところはありそうですけど、企業人として人の上に立てば当たり前のレベルのように感じました。ファン目線の俺らよりもずっと俯瞰の立場から、メンバー一人一人の幸せも考えてくれているのかもしれないな、とすら思いました。やっぱり企業の中で上に行けば行くほど、こういうアウトプットしか許されなくなるんだろうな、みたいに感じました。少なくともトークイベントで聞く橋本さんの話はむちゃくちゃ面白かった。みんなが橋本さんを中心にいい感じでまとまっているんじゃないか、と思いました。

ということで、ぜひ第二回をやってもらいたい。2019年のビヨ熱が冷めないうちに、今度は野沢トオルさんを読んでトークしてほしいです。あと雨子の仮仮歌を聞かせて欲しい。あと星部ショウのボーカルを音源化してほしい。

そんなイベントでした。参加できてうれしかったです。ありがとうございました!