http://www.loft-prj.co.jp/schedule/plusone/21910
ピロスエさん編集の入魂の一冊「アイドル楽曲ディスクガイド」の発売記念イベントに行ってきました。面白かった! レビューを執筆されたライターの皆さんとともに、1971年を起点としておおよそ5年ごとを区切りつつ、映像をふまえた上でトークしていくって内容だったんですが4時間あっという間でした。……っつても自分は最初30分遅刻して観てないんですが。なので途中からで恐縮ですがメモを。ちなみに各人の言い回しは完全に俺の妄想で、こういう言い方はしてないです。雰囲気だけ伝わればと思います。
イベントは前後半に分かれてまして、前半の登壇者がピロスエさん、岡島紳士さん、さやわかさん、栗原裕一郎さん、原田和典さん、岩切浩貴さん。後半がピロスエさん岡島さん、鈴木妄想さん、宗像明将さん、DJフクタケさん、田口俊輔さん、坂本寛さんでした。
1970年代前半
※遅刻の為メモできず
1970年代後半
UFO/ピンクレディー
岩切浩貴「子供たちがアイドルの真似をし始めたのはこの時期からですね」
ロマンス/岩崎宏美
スプリング・サンバ/大場久美子
薔薇とピストル/ギャル
栗原「キャンディーズのフォロワーが雨後の筍のように(笑)」
リトルキッス/ミルク
岩切「荻野目洋子が参加してます。ローティーンアイドルのはしりです」
夏のお嬢さん/榊原郁恵
栗原「榊原郁恵はアイドルの概念をいろいろ拡張しましたね」
さやわか「このぐらいの時代になると色々出てきますね。子供、ぽっちゃり、宇宙人……」
岩切「70年代までは何をやってもよかったみたいなところがある」
栗原「アイドルによる子供向けの商品化が進んだ時代。天地真理のマリちゃん自転車なんてのを経てですが、ピンクレディーでそういう動きが」
ピロスエ「70年代後半は実際には山口百恵のピークでした。ちなみにこの本(アイドル楽曲ディスクガイド)は、ピーク年でなくデビュー年を軸にして掲載するのを基本にする、というテーマで編集しました」
原田和典「大場久美子よかったですね。自分は北海道出身なんですが、当時テレビのチャンネルが多くなかったこともあり選択肢が少なかった。なので後追いで知ったアイドルも多いです」
岩切「音楽性において充実した時代になってきた。間もなくテクノも出てくるし」
栗原「あの頃は音楽番組もたくさんあったし、音楽番組以外でも、ではここで1曲みたいな登場の仕方がいくらでもあった。だから何もかもがテレビ発信でしたね、アイドルに関しては」
80年代前半
青い珊瑚礁/松田聖子
ピロスエ「かわいいですよね」
栗原「でも当時はぶりっ子でがに股で、女の子には嫌われてたんです」
岡島紳士「そんな裕木奈江みたいな扱いだったんですか」
岩切「数年後一気に女性にも支持されることになります」
スマイル・フォー・ミー/河合奈保子
少女人形/伊藤つかさ
栗原「ロリータアイドルのはしりですね」
ダンシング・ヒーロー/荻野目洋子
青春のいじわる/菊池桃子
岩切「雑誌先行のアイドルのはしりじゃないかな」
Do Up・愛ing/シャワー
もしも明日が…。/わらべ
センチ・メタル・ボーイ/キララとウララ
ピロスエ「テクノ歌謡のはしりですね」
少女A/中森明菜
なんてったってアイドル/小泉今日子
岩切「バブルですね。オールナイトフジみたいな深夜枠が出てきた時代。キラキラしているけど、逆に飽和状態ともいえる」
ピロスエ「このあたりからアイドルブームってことですよね」
岩切「79年だけが暗黒の時代なんです」
栗原「能勢慶子をはじめ、誰一人残ってない」
さやわか「へえ、90年代より前に、アイドル冬の時代があったんですね」
栗原「80年代アイドルって実は活動がものすごく短いんです。5年活動すれば長い方。おニャン子クラブも2年ですからね」
ピロスエ「中森明菜はアイドルだったのか、みたいな話もありました」
栗原「スローモーションまでは完全にアイドルとして売ろうとしてましたね」
岩切「ポスト百恵を探せってのが強くあったんですね。三原順子とか」
栗原「業界はポスト百恵をって血眼になってたのに、世の中は聖子ちゃん一色に変わっていくっていう」
岡島「角川三人娘の話も聞きたいです」
岩切「角川のやってる雑誌、バラエティ、だったかな。雑誌も、小説もテレビも使って映画を盛り上げようってのがあった」
さやわか「今でいうメディアミックスですね」
栗原「それで当時、角川は文化人からバッシングされたりもしたんです。ハイブローなものとローブローなものを同じ位置に並べて扱ったので」
さやわか「……それむちゃくちゃかっこいいじゃないですか」
岡島「そういうメディアミックスにおいてアイドルは象徴的な存在だったんですか?」
栗原「いやあ、あくまで副産物だったと思います」
ピロスエ「この時期はソロが強くてグループが弱い印象がありますね」
岩切「キャンディーズ以降、グループアイドルの成功はおニャン子クラブまで待たなきゃなんない」
さやわか「状況が特殊だったんでしょうか」
岩切「たまたまそういう存在が居なかっただけだと思いますが」
岩切「岩井小百合なんかは横濱銀蠅の妹分ってキャッチコピーで出ていたわけですが、今で言えばEXILEとE-girlsみたいなものですね」
80年代後半
女子大生にまかせなさい/オールナイターズ
セーラー服を脱がさないで/おニャン子クラブ
栗原「私、この時期で一度アイドルから離脱するんですよ。やってられないって」
岡島「歌詞がすごいですよね。今じゃ考えられない」
さやわか「フリがAKBっぽい」
私は里歌ちゃん/ニャンギラス
バレンタイン・キッス/国生さゆり
岡島「この曲は2月になると本当にどのアイドルも歌ってます。一度禁止にしてほしいくらい(笑)」
マリーナの夏/渡辺満里奈
MUGO・ん…色っぽい/工藤静香
セシル/浅香唯
さやわか「完全にテレビ番組主導ですよねー」
岩切「フジ強いですよね」
吐息でネット/南野陽子
岩切「ジャンプもサンデーもやってなくて、マガジンだけはアイドルを推してました」
卒業/斉藤由貴
栗原「やばい。吸い込まれそう」
夢冒険/酒井法子
天使たちのシンフォニー/楽天使
岩切「完全に企画モノですね」
さやわか「アイドル人気がやばくなってきた時代に突入してます」
Give Me Up/babe
17才/森高千里
栗原「森高千里で、アイドル自体が一周周ったって感じがありますね」
さやわか「オリコンで見るとアイドルばっかりずらっと並んでた時代です」
栗原「年間ランキングはそうかもしれないけど、ロックもニューミュージックも盛り上がっていてバラエティ感がとてもある時期」
さやわか「森高千里は80年代アイドルを総括してる感じありますね。アイドルって概念ありきの。完全に現代アートの考え方というか」
ピロスエ「森高って自分的には、元気が出るテレビで宅八郎がフィギュアを持ってて……ってのをまず思い出しちゃう」
さやわか「アイドルオタクのパロディのはしりですね」
ピロスエ「そう。でも当時そういう文脈って理解されてなかったと思いますね」
岩切「それまでアイドルオタクっていうアイコンが存在してなかったですからね」
さやわか「宅八郎がアイドルオタクっていうアイコンを演じながら、アイドルという概念のアイコン的存在であるところの森高千里のフィギュアを持っていたっていう」
ピロスエ「おニャン子クラブにしても、アイドルという概念をひねった存在です」
栗原「そういう要素は「なんてったってアイドル」でありましたしね」
岡島「おニャン子クラブでいろんなものが変わりました」
栗原「あそこで離れた人もいるし残った人もいる。世代交代があったということ」
さやわか「アイドルが(ピンクレディーのような)子供受けされるものではないですね」
岡島「夕やけニャンニャンは中高生向けの番組でした」
ピロスエ「自分の世代の問題かもしれませんが、アイドルをストレートに好きだと言える空気はなかった。自分は夕ニャンを、とんねるずの番組として観てました」
栗原「このぐらいまで、アイドルの対象とはヤンキー色の強いものだったんですが、ここからオタクに向けたものに変わっていきます」
さやわか「テレビ主導の時代だったわけで、メディアに取り上げられなくなると必然的に自分から現場に足を運ぶ人たちのものになっていく。この後、俗にいう外道みたいな人たちが現れます」
ピロスエ「ついアイドル史みたいな話ばかりになっちゃうんですが、楽曲の話もしたいですね(笑)。アイドル四天王と呼ばれていた中山美穂・工藤静香・南野陽子・浅香唯の楽曲をあらためて聞いてみたんですが、自分としては南野陽子が一番よかったというか、今の楽曲派と呼ばれる人たちに評価されそうだなと思いました」
岩切「曲を書ける層が厚くなったというのはあると思います。演奏するミュージシャンにも充実のメンバーが並んでいた。そして、お金(予算)があったということも大きい」
栗原「80年代後半のアイドルは本当に派手でバブル感がある」
岩切「歌は世につれ、じゃないですけど、やっぱり社会環境を反映するところは大きいです。演歌だとその時代の雰囲気はつかめないから」
さやわか「バブルがはじけて、アイドルも冬の時代に入る。おニャン子クラブでアイドルも終わったって言われたわけですが、実際には終わらなかったんですよね。社会情勢とのシンクロはありつつも、反比例していく流れもありました」
90年代前半
EQUALロマンス/CoCo
坂本寛「冬の時代の中の名曲ですね。Priereもカバーしてます」
リトル☆デイト/ribbon
ドリームラッシュ/宮沢りえ
TOO SHY SHY BOY!/観月ありさ
フクタケ「この映像もバックで小室本人が歌ってますが、つまりそれにバリューがあるってことですね」
Miracle Love/牧瀬里穂
田口「3Mとしては最後発です」
鈴木妄想「女優アイドルの時代ですよね」
Fight!/高橋由美子
坂本「アニメタイアップの増えた時代でもあります」
Only You/内田有紀
ピロスエ「ジャングルがベースの曲。まさに95年ですね」
坂本「毎年毎年レイブが来るって言ってた時代だ(笑)」
ねずみ算がわかりません/ねずみっ子クラブ
SWEET & TOUGHNESS/南青山少女歌劇団
運命’95/Melody
田口「このぐらいの時代になると、ダンスと歌がセットになってて当たり前になってますね」
CATCH!!/東京パフォーマンスドール
坂本「今聞くとぜんぜんかっこいいですね」
ピロスエ「自分はこの頃のことをアイドル冬の時代って呼ぶのには違和感を感じてるんです」
田口「数は減ってませんし充実してますからね。単にメディアの露出が減っただけ、っていう」
フクタケ「バンドブームがあって一般の注目がそっちに行きましたからね」
鈴木「この時代になると、今の時代と直結してますよね。歌とダンスが」
フクタケ「おニャン子クラブがアイドルを変えたアイドルってこんなものみたいな評価を、東京パフォーマンスドールが実力主義に戻す、みたいな」
岡島「実際東京パフォーマンスドールは横浜アリーナもやってるんですよね」
鈴木「バンドブームのおかげで、ライブハウス文化ができたというのあ大きいですね」
フクタケ「宮沢りえや牧瀬里穂はまずCMで活動を開始してアイドルになった。バブルでもあったし、タイアップ色が強かった時代ですね。短冊型のCDシングルの表紙を見ると、必ずタイアップ企業の名前が入ってました」
ピロスエ「ドラマの主題歌とかですね」
坂本「バンドブームを経て、アーティストの方がスターよりもかっこいいという評価に変わった時代で、それを活かす戦略が採用されてましたね。たとえばプロデューサーである小室哲哉を前面に出すとか。英語タイトルにするとか」
坂本「振り返ってみても、音楽的にはぜんぜん貧しくないんですよね。東京パフォーマンスドールとかも相当先鋭的なことをやってる。逆にいえば、先鋭的な音楽というのは一般人に聞かれるものではないわけで」
フクタケ「洋楽とのタイムラグが少なくなってきて、それってつまりお茶の間にはあわないってことにもなりますね」
ピロスエ「グループアイドルが減りましたね」
鈴木「女優の時代ってことでしょうか」
ピロスエ「ねずみっ子クラブについて掘り下げたいですね」
岡島「秋元康はどんなアイドルにも歌詞にエロい言葉を入れてきますね」
宗像「後から出てくる推定少女とかもそうですが、AKB48までの試行錯誤をちゃんと追いかけてほしいですね。どんだけ長い不発があったかっていう」
90年代後半
Body Feels EXIT/安室奈美恵
鈴木「これ19年前? 安室ちゃんってすごいな」
Give me a Shake/MAX
宗像「「Tacata'」ってすごい盛り上がったみたいに露出されてたけど、言うほど売れてなかったですよね」
Body & Soul/SPEED
鈴木「ヒッパレ発でしたね。当時こんなユニット名でいいの? と思いました(クスリ的な意味で)」
坂本「モーニング娘。オーディションで、尊敬するアイドルにSPEEDや安室ちゃんを挙げる子がものすごく多かったです」
田口「今の若い子でもSPEEDを挙げる子は居て、いかに影響が大きかったかっていう」
坂本「そういう、チャートに出てこない影響力みたいなものも意識したいですね」
大スキ!/広末涼子
(スクリーンの写真を撮影し始める宗像氏)
Private Eyes/中山エミリ
田口「彼女、シングル曲ってこれだけなんですが、それがめちゃくちゃ良いっていう」
precious・delicious/知念里奈
田口「久保こーじの見事なコピペ感」
Wake up,Girls!/Pretty Chat
抱きしめて/チェキッ娘
鈴木「これもフジのバラエティ発ですね」
LOVEマシーン/モーニング娘。
田口「当時高校生でしたが、文化祭では男子も女子もこの曲歌って踊ってました」
ピロスエ「安室ちゃんもSPEEDも沖縄アクターズスクールで、アイドルじゃなくてアーティストなんだっていう押し方でしたね。アイドルという言葉の価値が今と違う」
フクタケ「アイドルですって自己紹介にためらいがありました」
坂本「その後、声優アイドルの椎名へきるがアイドルと呼ばれたくない発言をするとか。今は誰でもアイドルと名乗りたい時代ですからまったく真逆ですよね」
宗像「そんな中の広末涼子ですよ。共通言語となるアイドルの居なかった時代の若者をいかに救済したかという」
岡島「若者っていうか俺たちね(笑)」
ピロスエ「1997年はエポックメイキングな年でした。エヴァ、広末、モーニング娘。」
宗像「1997年で元号を変えるべきだったな。今が広末17年」
田口「広末は受験の概念も変えたんです。早稲田に受かって、それから2〜3年早稲田の倍率が2〜30倍になったといいますから」
00年代前半
桃色片想い/松浦亜弥
鈴木「Matthew's Best Hit TVきっかけという印象がある」
おっととっと夏だぜ/EE JUMP
坂本「未だに世に出ていない曲があるみたいですね」
夏祭り/Whiteberry
secret base 〜君がくれたもの〜/ZONE
田口「別のシングルで踊りだしたときはびっくりしました」
宗像「最近完全に解散したんでしたっけ」
キミノヒトミニコイシテル/深田恭子
坂本「即、コニシだとわかりますね」
恋愛15シミュレーション/星井七瀬
宗像「この曲もまた、日本のラップを変える可能性を秘めていました」
100 MAGIC WORDS/杏さゆり
鈴木「グラドル全盛期ですね」
Empty world/BOYSTYLE
Catch my star/Priere
宗像「このあたりはSPEEDの影響が大きいですよね」
BON VOYAGE!/Bon-Bon Blanco
田口「アンナは東京女子流のバックボーカルも担当してますね」
ピロスエ「(我が軍だから言うわけではないですが)やっぱりハロプロの勢いは凄かったです」
坂本「実際、狼は2ちゃんねるで最大のアクセスでしたから」
岡島「広末のファンコミュニティはメーリングリストでしたからね」
宗像「当時、違法ダウンロード全盛の時代だった。でも売れた。しかもZETIMAはCCCDにしなかった。ストロングスタイルでやってたんですよね」
ピロスエ「その後ハロプロは、あややでソロアイドルもフォローします」
田中「渋谷の街があやや一色だったことを思い出します。相当お金をかけてましたよね。売る気まんまんだった」
岡島「アイドルなんて聴きそうもなかった人たちが、音楽からアイドルの世界に入ってくる感じ」
ピロスエ「渋谷系の人たちが、聞くものがなくなって入ってきたという流れはありました」
鈴木「DJ文化でアイドル楽曲を使うことも定着しましたね。下敷きのある音が好まれるようになったというか」
坂本「ダンス☆マンはただファンクを使っているようで、ビッグビートに近い音であるとか、当時のクラブユースにも耐えうるある意味全方位対応の曲にしてましたね」
宗像「BEEHIVEを見てみると、BOYSTYLEしかりBUZYしかり、報われなかったなぁと。一番毛色の違うPerfumeだけが残るなんて」
宗像「当時アミューズにBEEHIVE寮ってのがあって、寮の生活を24時間、映像配信するって企画をやってたんですね。当時は今に比べたらPC環境だって酷いものだったのに、なんとかすべて録画しようとするファンがいて、音や光に反応したら録画を開始するシステムを組んじゃう奴とか居て面白かったですね」
ピロスエ「Bon-Bon Blancoはもっと評価されていいと思います」
鈴木「自分はグラビアアイドルの時代だなって印象があります」
宗像「こうして見てみると、星井七瀬が光りますね」
00年代後半
スッペシャル ジェネレ〜ション/Berryz工房
宗像「DVDシングルを買いましたね。あー、シャバダバが気持ちいい」
急上昇JUMP↑/ハレンチ☆パンチ
チャイナ・ディスコティカ/Aira Mitsuki
宗像「みんなが彼女たちをPerfumeの後追いだって言ってましたね。ぼくも言ってましたけど」
とびっきり!恋の大ジャンプはK点越え!/Chu!Lips
宗像「この曲を聴かずにこの本読んでもしょうがないよ!」
鈴木「今のライブアイドルの激しいパフォーマンスのはしりですね」
星占いの歌/toutou
少女S/SCANDAL
鈴木「今はバンド系アイドルって珍しいですよね」
田口「Silent Sirenはアーティスト、って言ってるみたいです」
ポリリズム/Perfume
宗像「週に10回リリイベ行ってたような奴らが、この曲のヒットでどんだけ救われたことか」
坂本「ブレイクの原因ってどうなんですかね。よく木村カエラきっかけとか、ニコ動きっかけとか言われてますが」
宗像「……いっぱいテレビで流れたからです!」
RIVER/AKB48
鈴木「初のオリコン1位曲ですね。今、冷静にPV観ると、過剰ですよね」
宗像「ヘリやら戦車やら、石原軍団かっていう。平和じゃないと作れないよ。震災後だったら無理でした」
ピロスエ「ハロプロのピークは過ぎた後ですね。続けて映像を観てみると、やっぱりPerfumeやAKB48のメジャー感は違いますね」
坂本「「スカートひらり」ぐらいの頃は今までの秋元プロデュースの続きぐらいの扱いで、またパンツ見せてんのかぐらいの印象でしたね」
岡島「やっぱり歌詞に性的なものを入れてくるっていう」
鈴木「秋葉原の歩行者天国が、あっちもアイドルこっちもアイドルっていう、完全なカオスだった時代ですね」
坂本「ああ、打ち水の時代ですね」
ピロスエ「中川翔子がアイドルの流れで語られないのが気になります」
岡島「ブログアイドルであり2ちゃんねるのアイドルでした。彼女にブログやらせたの、PC雑誌のネットランナーなんですよ」
宗像「この頃アイドルステーションとかで、昼の部夜の部で8000円払いながら、毎週毎週アイドル観てたわけですよ。チュップス、toutou、Feam、Survive-ZERO。冬の時代だったかもしれないけど、何も無かったとは言って欲しくないですね」
鈴木「ライブハウスって拠点ができたのは大きかったと思います」
宗像「Perfumeの影響が強くて、みんなテクノポップに寄って行った時代です。ハレンチ☆パンチがいろんな紆余曲折を経てうまく行かなくて、解散ライブでPerfumeから届いた花にCongratulationって書かれてたって話が忘れられないですね」
10年代前半
ロマンスの途中/Juice=Juice
アッパーカット!/アップアップガールズ(仮)
行くぜっ!怪盗少女/ももいろクローバー
鈴木「作り手側にネット出身の人が増えましたね」
夏 wanna say love U/9nine
田口「5人になった9nineにユニット名の由来を尋ねたら、5人でも9人分の魂をって意味を込めて名付けられましたって答えたってエピソードが印象的です」
プールサイド大作戦/アイドリング!!!
フクタケ「フジのアイドルの流れですね」
キラキラチューン/でんぱ組.inc
ワナダンス!/Tomato n' Pine
岡島「faint☆starも良さそうですね」
鼓動の秘密/東京女子流
ピロスエ「2011年の楽曲大賞イベントで1位でした」
宗像「映像も最高ですね」
ド・キ・ド・キモーニング/BABY METAL
宗像「接触なしでも売れるって証明しましたね」
MAX!乙女心/SUPER☆GiRLS
宗像「このPVはたんなるドスケベビデオですね」
鈴木「欲望に忠実ですよね」
PPCC/BiS
宗像「……泣いちゃう」
デモサヨナラ/Dorothy Little Happy
鈴木「2011年のTIFで大ブレイクしました」
フクタケ「TIF2日目には会場がオレモーコールでひとつになってたという」
アイドルばかり聴かないで/Negicco
潮騒のメモリー/天野春子(小泉今日子)
岡島「2013年を代表する1曲ですね」
ピロスエ「2010年になると、テーマがもう『いろいろいるよね』みたいな」
宗像「なんでもいいみたいなところもあります。上澄みの部分は金になるみたいに紹介されてるけど、下の方がもめごともあってぐちゃぐちゃ、みたいな」
鈴木「今までは中心でなかったロコドルとかアジアアイドルとかに注目が集まって、ある意味ドーナツ化が起きている気がする。だからこそ真ん中の席が空いてて、そこにあまちゃんがハマるみたいな現象がある」
岡島「環境がそろって、地方アイドルでも良い曲が作れる時代になった」
坂本「お金をかけなくてもレコーディングできるようになって、ものすごくたくさんの楽曲が生まれるようになったけど、売れるという意味では多様性がなくなって画一化が起きているような」
鈴木「また正統派アイドルの時代へ戻っていく気もします。声優のグループがお金をかけてものすごく丁寧にやっていたり」
坂本「声優グループって長続きしなかったですよね」
宗像「声優ファンってものすごくピュアで、ちょっとスキャンダルがあっただけでCD割ったりファン辞めたりするじゃないですか。反応が古典芸能的というか。その点アイドルファンはスレちゃったなと」
フクタケ「声優グループは現場が限られてるから、ファンの熱量も大きいし、裏切られた時のダメージもデカい」
宗像「現場って話が出ましたが、アイドルの現場が多すぎて、ぼっとしていると見逃してしまうんですよね。気づいたら終わっている」
岡島「それだけお金がまわっている場所が増えたということですよね。ヒットチャート、ランキング、テレビみたいなメディア主導だったものが分散して、ライブや物販で成立するようになった。それは単に選択肢が増えたというだけではなく多様性が広がっているんじゃないかと」
総括
坂本「楽曲のフォーマットってやっぱり時代に則していますね。音楽ジャンルの問題ではなくて、例えばカラオケブームの時はカラオケに、着メロブームの時は着メロにあった音楽が流行するんだな、と」
岩切「お金がないとやっぱりダメだな、って感じますね。お金があればお金をかけることもかけないこともできるわけだから」
坂本「ヤン富田のスタジオレコーディングの費用がひと月2000万円とか。六本木とかで。今じゃ考えられないですよね」
フクタケ「当時はそれでもビジネスモデルとしてペイしてましたからね」
岩切「今はまずペイしないとダメっていう前提がある。昔は実験的にやってみて、ダメならダメでっていう風潮があった」
宗像「今後のアミューズに期待というか、武藤彩未ちゃんがソロでこれからのシーンでリーダーシップを取っていくのか注目しています」
岡島「BABY METALが米ビルボードでランクインするとか、接触ありきだったものが変わってきている。AKBやももクロで市場が広がった今、コンテンツを作りこんで差別化ができれば売れることはできると感じています。その上で、握手会をメインにしたアイドルが居て世に出られやすい環境が続くのもいいことですし」
ピロスエ「アイドルブームは続くのか、衰退していくのか」
岡島「ハロプロだって流行はしていなくても続いたわけじゃないですか」
フクタケ「母体の強さは重要ですよね。育成もできるところが残ると思う。そこは情熱だけじゃないんですよね。地方アイドルは情熱だけで続けてたりするんだけども、そういうところは潮時もくると個人的には思ってます」
鈴木「事件ひとつでシーンが消沈しちゃうことってあるので、アイドル側にはそこは気を付けてほしいですね。逆に、受け手側はあまりアイドル側運営側にプレッシャーをかけないでほしい」
宗像「マーケットが広がったことは証明できているので、100万枚売れることはないかもしれないけど、悲観することはないと思う」
ピロスエ「俺たちの戦いはまだ始まったばかりだ、ってことですかね」
最後の方、コメントが少なくなってるのは何も語られなくなったわけではなくて、俺がくたびれてメモが止まっちゃっただけです。自分の感想としても、別にブームは終わっても続いていくものだと思ってます。アイドル楽曲、楽しいですもん!
そんな感じのイベントでした。登壇者の皆さま、ロフトプラスワンの皆さま、楽しい時間をありがとうございました。
- 作者: ピロスエ・編
- 出版社/メーカー: アスペクト
- 発売日: 2014/02/26
- メディア: 単行本
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