傀儡音楽

かいらいおんがく

安室ちゃんはやっぱすごい

 安室奈美恵って素直に凄いなぁと。わりと前からしつこく言ってるんですが、彼女ってばかなり究極のアイドルなんじゃないかって再評価再々評価してるわけなんですけど。

 彼女の人気が最大だった頃って……

SWEET 19 BLUES」とか「Can you celebrate?」の頃でしょうか。1996年97年ぐらい、今から8〜9年前ですよ。「小室ブームに乗って」と言っちゃうのは簡単ですが、「小室ブームは安室ブームとも相乗効果をもって」って言った方がいいんじゃないか、っつーくらい人気ありましたよね。だって当時の、小学生の女の子が将来なりたいものナンバーワンって「あむろちゃん」だったんですよ? 男の子の答えが「仮面ライダーなんとか」とか「なんとか戦隊なんとかマン」とかだったのと同じタイミングで。ヒーロー(ヒロイン)扱いだったわけですよ。

 しかも彼女、思い起こせば結構波乱万丈の人生じゃないですか。なんだかお父さんに当たる人が事件起こしたり。本人もたいへん若いうちに結婚、出産、そして離婚みたいな。紅白歌合戦にも連続出場のお茶の間の人気ものだったのに、人気絶頂の97年に妊娠ですからね。腕にバーコードと息子の名前の刺青でしょう? PTAのおばさんたちもかなり苦虫噛み潰してたんじゃないかしら。

 ところが前向きでいちいち格好良かったんですよね。決してチャランポランじゃないし、無理して悲壮感漂うって感じでもなかったし、真摯に仕事してる感じがあって好印象だった。媚びる感じもおどける感じもない。親しみやとっつきやすさとかを必要以上に打ち出さないことで、「ずっとちゃんとアイドルで居てくれてる」感じ。

 あの人気絶頂期の97年、小学6年生だった子は今21歳、中学3年生だった子は今24歳ですよね。すると安室ちゃん、今、21歳24歳の女性のハートをがっちりキャッチできる音楽をやってるわけですよ。そういう意味でも「ずっとちゃんとアイドルでいてくれてる」ってことですよね。一緒に成長して、いっつも格好いい。

 スタッフが良いんでしょうかね。やりたいと思ってる音楽と実際の流行とをちゃんと混ぜて、今いちばん美味しい洋楽のエッセンスをふんだんに使って、常に質の高い作品を提供してくれてる。すばらしいなぁ、と思います。

 現在のアイドル事情(キャラクターグッズに萌え〜、みたいな状況)とはちっともイコールじゃないので、アイドルマニアの人たちの間では話題になりづらいかもしれないけど、実はすごく広く愛されてる人なんじゃないでしょうか。

 俺も褒めちぎってる割にはCDももってないし、並々ならぬ愛情を注いでるわけではないんだけど、やっぱり安室ちゃんは良いなぁすごいなぁっていつも思ってますよ。これからも頑張っていただきたいです。ハイ。